主催 特定非営利活動法人ひだまり


成年後見セミナー
セミナー内容より抜粋   成年後見セミナーのお知らせ  


成年後見セミナーを開催しました
−障害者のよりよい生活と後見−
● 成年後見制度に関心が高まる

 10月22日にNPOひだまりが初めて主催するセミナーを、千葉市長沼原勤労市民プラザで開催しました。後援は障害児者の将来を守る父の樹会、千葉市手をつなぐ育成会にも協力をお願いして快くご賛同を得ました。
 比較的地味な主題のセミナーですが父親多数を含む約100名の参加者をお迎えし、育成会からも多くの方にお出でいただきました。

 成年後見に関しては障害児者の将来を守る父の樹会が、過去2回実施していますが時期的に早すぎたのか、関心も薄く今一つ盛り上がりが見られませんでした。

 今回は制度についての解説は絞っていただき、知的障害の人にはなぜ成年後見が必要なのか、どのような後見が望ましいのかなどの内容になりました。

 講師はNPO法人PACガーディアンズ(以後PACGと言います)の佐藤彰一理事長と名川勝副理事長のお二人にお願いしました。PACは”Protection and Adovocacy Chiba”の略称で、千葉の権利擁護を守る人達といえばよいのでしょうか?
 佐藤氏は弁護士であり法政大学に、また名川氏は筑波大学に在籍しておられ、法人として障害のある方の成年後見等を支援する活動に取り組んでいる団体です。
 ひだまりはPACの趣旨に賛同し千葉市支部として活動を展開していきます。

 
● 佐藤講師 
   成年後見制度へのPACGの考え方

 平成12年成年後見制度制定に際し、法務省は契約行為に対して後見人でないと契約無効であるとしている。
 一方厚労省施設利用契約などの保護者の代理を認め、2年間有効の通達を出していたがその後も続いている状態にある。
 この制度は判断能力のある人と無い人を法律で分け、無いとされた人の権利を奪い保護する日本独自の方法であること。

 PACGとしてこの制度を何がなんでも使えばとの態度はとっていない。いずれ障害者には後見人を付けなければいならないが慌てる必要は無い。

 また後見人は一度家庭裁判所で選任されると、少々間違ったことをされても簡単には変えて貰えない。PACGは複数後見人をたてることも考えている。

 これからの後見人は本人の快適な生活を考えられる人がなるべきであること。

 親で一番困るのは元気なうちは自分で面倒を見るという人。これはいざとなったら疲れて果てており、本人や親の望む生活を考えられなくなってしまう。

● 名川講師
   コミュニティフレンドの役割

 親よりも確実に長生きするであろう障害者には、権利侵害や財産管理など有事に対応する親や「遠い関係」の成年後見人だけでなく、日常生活の相談相手となる「近い関係」の助言者としてコミュニティフレンドを取り入れた。この運動はカナダやスウェーデンで始められたもので、イメージとしては"まちの中のともだち"で、PACGが試行事業を開始した(国内では宇治市社協が類似制度を行っている。)

 まず何をするか!
 仲良くなる、友達になる、といっても知らない人と急に仲良くなれるわけが無いので徐々に親しくなればよい。それから本人のしたいことを一緒にやればよい。

 それなら何をしないか!
 個人のお金の操作はやらない。紛争にはかかわらない。難しいことはPACGに任せること。利益相反の関係にある人はやらない。
 居宅介護等でホームヘルパーが行うものとは別枠で、頼まれて行うものではないと考えている。

※PACGのコミュニティフレンド施行事業は、9月からスタートして7組が活動を始めており千葉市も1組いる。
※コミュニティフレンドについて全日本育成会機関紙「てをつなぐ2006年6月号」に、佐藤理事の紹介文が掲載されていますのでぜひご参照ください。

● 千葉市てをつなぐ育成会
    久保田会長のご感想

 セミナーの副題「親なきあとは親あるうちに」に共感を覚える。
 兄弟の管理がよいとは一概に言えないし、親の目が黒いうちでも判断が黒いとは限らない。父親が後見人になって3年、現在は不便なことが多い。身上監護でやっているのか後見人でやっているのか判らない。
 PACGや多くの人が法人後見に取り組み始めたのは心強い。

● ひだまりから

 当日は秋の好日の最中にお出でいただいてありがとうございました。私どもの呼びかけがこれからのヒントやきっかけになれば幸いです。今回のセミナーでご理解を得るにはまだ不十分と思いますし、機会があれば続編を企画できればと考えています。
 またコミュニティフレンドという名前を1人でも多くの方に知ってもらい、共感を得られることが運動の発展につながります。
 後見制度の中身や家庭裁判所の手続きなど、疑問があればお気軽にひだまり事務所へ問い合わせてください。家庭裁判所の申請書なども取り揃えてあります。




成年後見セミナー

〜 障害者のよりよい生活と後見 〜

「親なきあとは親あるうちに」



 障害を持つ子が将来はどのように生きて行くのだろうか、これは親たち共通の悩みです。

 悩む親を支え、その子達を支える仕組みの一つとして成年後見制度があります。親が元気なうちにこそ、残される子の生き方を考えておくことは重要な責任です。

 そのようなことを考えるときのお手伝いの場として今回のセミナーを企画しました。

 PACガーディアンズは、障害のある方々と、ともに暮らせる社会を作るために成年後見人やコミュニティフレンドとして活動する方を養成・支援するために設立されたNPO法人で、市川市及び船橋市を本拠地に県内各地での活動を目標としています。

 NPOひだまりは、PACガーディアンズの千葉市支部として活動に参加しています。

 今回の講師陣は国内でもトップレベルの実戦経験をお持ちですので、大変参考になるお話を伺えると思います。せひご参加ください。
  講師
 ● 佐藤 彰一 氏 
   (PACガーディアンズ理事長、弁護士、法政大学)

 ● 名川 勝 氏
   (PACガーディアンズ副理事長、筑波大学)

  日時
平成18年10月22日(日)  午前9時30分〜12時

  場所
千葉市長沼原勤労市民プラザ 多目的ホール(2階)

勤労市民プラザのHPはこちら

  交通
  京成バス
   JR稲毛駅前2番乗り場 08:27、43、57発
   山王町行き 長沼原住宅下車徒歩5分

  車をご利用の方
   駐車場を千葉大附属養護学校内に用意します。

  資料代
500円 当日受付にて申し受けます。

  申し込み先
  9月25日(月)までに下記宛にお願いします。

NPOひだまり事務所
TEL 043―258−8604
FAX 043―310−5061

  後援
障害児者の将来を守る父の樹会

  協力
千葉市手をつなぐ育成会